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スリランカ視察:変化と可能性

皆様、こんにちは。今回は、私が最近訪れたスリランカについての報告をさせていただきます。

スリランカは、インド洋の涙とも称されるインドの最南端に位置する国で、近年はイスラム系テロや経済デフォルトなど、あまり良いニュースが伝えられていませんでした。しかし、本来は仏教が主流で、穏やかな国民性を持つ大の親日国です。

今回の訪問では、CG会社とのアラインス、コールセンターの視察、経済キーマンとのヒアリング、そしてIT会社とのヒアリングを行いました。5年前から何が変わったのか、その変化を探るために、多くの方々との対話を重ねてきました。

まず、経済状況についてですが、株価は上昇傾向にあり、企業の業績もインフレにより上昇しています。一時はハイパーインフレの懸念もありましたが、現在は約6%程度に落ち着いています。通貨も底打ちの兆しを見せており、金利を上げて物価を安定させる政策が進められています。IMFによる厳しいモニタリングの下、300億円ほどの融資を受けており、一時期問題となっていたエネルギー不足による計画停電も解消されています。

治安については、デフォルトを起こしデモが発生していた国とは思えないほど安定しています。最大都市のコロンボでも夜間に歩けるほどで、近隣都市も含めて危険を感じることはありませんでした。報道がエキサイティングなシーンを取り上げ過ぎる傾向にあるとの意見も多く聞かれました。

物価については、一般的な商品と高級品の価格差が大きい印象でした。一食300円程度で食事ができる一方、マクドナルドのビッグマックはドル換算で6.5ドル、約1000円となります。しかし、ホテルは比較的安価で、今回私たちは3人でヒルトンのスイートルームに宿泊しましたが、一泊109ドルと非常にリーズナブルでした。

スリランカの一流企業の平均年収は日本円で月額約4万円とのことでしたが、エンジニアなど特殊技能を持つ人々は月額15から20万円程度となります。全員が英語を堪能で、非常に優秀な人材が多いと感じました。また、日本語学校を訪れたところ、100人単位で日本への就労を目指して勉強している学生たちを見ることができました。特にホテル、レストラン、建設、農業、介護などの分野でビザが取得しやすく、日本企業がリクルートに訪れているとのことでした。

政治状況については、現在のラニル大統領の評判が良いとのことでした。中国、インド、日本などの債権国との難しいバランスを上手く取りながら交渉を進めていると評価されています。また、米国との強いパイプを持ち、IMFの支援を取り付けたのも彼の功績とされています。

新興のコングロマリットが出現し、ITベースや農業系のスタートアップも盛んになっています。新興企業は英語圏の国からの複雑なアウトソースを多く受けており、売上の約半分が海外からとのことでした。

観光業はほぼ完全に復活し、どのエリアでも欧米人を中心に観光客が楽しんでいました。ルピー安もあり、観光地としては非常にリーズナブルに感じられるでしょう。

ビジネスチャンスについては、格付けが低いことで大手投資家の参入が難しく、日本を含む外資に対するハードルが低くなっています。不動産は現在高値止まりの状態ですが、例えば5年ものの定期預金は金利15%で、インフレを上回る利回りが期待できます。また、プログラマーのITスキルも向上しており、スタートアップ熱が高まっています。

総じて、スリランカは一度訪れてみる価値がある国だと感じました。人々は親日的で、とても親しみやすいです。また、モルディブが近いため、訪問の前後にモルディブでリラックスするのもおすすめです。

以上、スリランカ訪問の報告でした。進出をご検討の方がいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。